EARLY WINTER
「橙黄橘緑時(とうこうきつりょくじ)カフェ」のオーナーは、退職した中国語の教師です。ブランドの中国語名称は、北宋の文学者・蘇軾(そしょく)が中年の憂いを抱く劉景文を励ますために詠んだ七言絶句に由来しています。「荷尽くしてすでに擎雨(けいう)の蓋なく、菊残りてなお霜に傲る枝あり。一年の好景君須(すべか)らく記すべし、最も是れ橙黄橘緑の時。」この詩は、蓮の花が散った後でも、菊の枝が寒霜に屈せず凛と立っている様子を表しています。そして、橙が黄色く、蜜柑が緑色になる初冬こそ、一年で最も実り豊かな季節であると語りかけています。オーナーはこの詩の精神に励まされ、壮年にしてカフェの起業に挑戦しました。「橙黄橘緑時」とは初冬の意を含み、それにちなみ、ブランドの英語名は「EARLY WINTER」と名付けました。
デザイン項目


ロゴデザイン
「橙黄橘緑時カフェ EARLY WINTER」は、中国文学の情緒と西洋のコーヒー文化を融合させたカフェです。そのため、ロゴのデザインにおいては、「文字のシンボル」「東西の融合」「カップのモチーフ」そして「蘇軾(そしょく)」といった概念を取り入れ、ブランドならではの独自のスタイルと雰囲気を表現しました。ロゴの配色にはあえてモノクロ(黒と白)を採用し、シンボルのミニマルな美しさとコーヒーのイメージを際立たせています。私たちは16種類の異なるコンセプトのデザインを提案し、その中からオーナーが最も理想に合ったロゴを選べるようにしました。これらのデザインは、「橙黄橘緑時カフェ EARLY WINTER」が持つ独特な文化的背景と優雅な精神を表現することを目的としています。
標準書体デザイン
慎重に検討を重ねた結果、私たちは最終的に精巧にデザインされたロゴを決定しました。このロゴは、北宋の文学者・蘇軾のイメージコンセプトからインスピレーションを得たものです。ロゴとの調和を図るため、特に北宋時代、宋の徽宗によって生み出された「痩金体(そうきんたい)」の書体を採用しました。これにより、視覚的なバランスと呼応が最良の形で実現されただけでなく、今後すべての広報物やパッケージデザインにおいて統一されたレイアウト基準を確立することができました。







クリエイティブグラフィック
在創作図形のデザインにおいては、特に宋代の「文会図(ぶんかいず)」をインスピレーションの源としました。この図は、池のほとりの園で文人雅士たちが酒宴を楽しむ場面を描いています。図の下部には、従者が小さな卓上で茶器を準備する様子があり、当初は茶末をすくう動作でしたが、私たちはそれをハンドドリップコーヒーを淹れるシーンへと巧みに変化させました。このようなデザインは、ブランドの商品特性を際立たせるだけでなく、ブランドスピリットである「東西の飲料文化の融合」を見事に表現しています。現代のハンドドリップコーヒーを古代の文人たちの生活場面に溶け込ませることで、創造性に富んだ一枚の情景を作り出しました。この創作図形は、消費者に「橙黄橘緑時カフェ EARLY WINTER」というブランドを強く印象づけるだけでなく、宋代文化の精神を備えたブランド設定にも見事に呼応しています。





パッケージデザイン
最終的に、私たちはロゴ、標準書体、そして創作図形を融合させ、統一されたビジュアル・アイデンティティ・システムを構築しました。このシステムは名刺、封筒、パッケージなどに活用され、「橙黄橘緑時カフェ EARLY WINTER」が市場において明確に際立つ存在となることを目指しています。ブランドイメージの一貫性を高め、消費者に対してブランドが持つ文化的背景と独自性をより深く感じてもらえるように設計されています。この統一されたアイデンティティ・システムを通じて、「橙黄橘緑時カフェ EARLY WINTER」はさまざまなメディアプラットフォーム上で、より強力なブランド力を発揮し、その印象を際立たせ、影響力を高めることができます。この統合によって、ブランドの物語と核心価値があらゆるディテールに反映され、消費者にとって豊かで意味深いブランド体験が提供されるのです。


事務用品
